形・サイズへのこだわり

衣は揚げ物がまとう洋服です。揚げ色は洋服のカラーですが、形やサイズは洋服のデザインです。

色同様、形やサイズも見栄えに大きく影響します。

私たちのパン粉は縦長なのが特徴です。このパン粉を使うと、衣が花が咲いたようにツンツンと立ちます。これを剣立ち（けんだち）と呼びます。剣立ちが良いと見た目の美しい揚げ物になります。揚げ色もきれい、形も美しい、食べる前から期待に心躍りますよね。

剣立ちの良さは見た目だけではありません。油切れが良いのも特徴です。

パン粉はパンから出来るとお話しましたが、私たちは剣立ちが良くなるパンを焼いています。油切れの良さから逆算すると、小麦粉の選定からはじめなくてはならないことがわかりました。そしてパン生地の製法を工夫することで、油切れがよく見栄えのするパン粉が出来上がりました。

食パンをご自身で挽いてパン粉にしている方も多くいらっしゃいます。食パンをパン粉にしたものと、パン粉メーカーのパン粉には形に違いがあるのでしょうか？

衣はサイズ（粗さ）も重要です。素材とパン粉が一体となって成立するのが揚げ物ですから、これもおろそかにできません。

粗めの衣の迫力のあるとんかつにしたい、細かい衣の上品なとんかつにしたい、素材を生かすために薄い衣の串かつにしたい、など理想の料理にあわせた大きさをお選び頂けます。

パン粉のサイズを目開き（めびらき）やメッシュという呼び方で表しますが、分かりやすく中屋パン粉工場では洋服のようにMサイズ、Lサイズと表記しています。標準をMサイズとするならば、粗いものはL、LL、XLと大きくなっていきますし、細かいものはS、ＳＳ、SSS、その下、と小さくなっていきます。

とんかつ店で使われるものは多くがL〜LLサイズ、惣菜のコロッケなどはM〜Lサイズが、串かつはSSサイズ以下が人気です。

パン粉メーカーによってはサイズ表記を○○ｍｍと表示しているところもあります。この場合のｍｍとはパン粉の大きさが○○ｍｍということではなくパン粉を作る際の網の目が○○ｍｍのものを使っているということです。