製造へのこだわり

パン粉メーカーは大きく２つの方法でパンを焼きます。１つは焙焼式（ばいしょうしき）というオーブンの熱でパンを焼く方法。もう１つは電極式（通電式）という電気の熱でパンを焼く方法です。電極式はパン粉メーカーでしか採用されていない独特の方法です。中屋パン粉工場ではすべて焙焼式によりパンを焼いています。

さて、焙焼式、電極式どちらで焼いたパンがパン粉に向いているかと申しますと・・・それぞれ一長一短があります。

しかし味に関していえば焙焼式の方が格段においしいパンができます。パンの風味、香ばしさは時間をかけてじっくりと焼成したほうが強く、おいしくなります。お客さまはおいしい料理を作るために食材を選ぶわけですから、当然おいしいほうが良いに決まっています。

私たちの作るパンはとてもおいしいです。これをパン粉にしてしまうの？もったいない！と言われるほどです。おいしいパンを焼けばおいしいパン粉になる、というのが持論です。

パン粉の製造には当然専門の機械を使用しますが、機械だけでは対応出来ない部分も出てきます。

例えばパンをパン粉にするにはまず皮をスライサーという機械で切り取ります。その際、スライサーの刃では切り取りきれない固い部分が残ってしまいます。

色は白くても固い部分は、食べた時の食感に影響しますのでその部分を手作業で包丁を使い丁寧に取り除いていきます。

このようにして手作業を行うことで、見た目は白いパン粉も柔らかさが均一になるように調整しています。これはほんの一例ですが、私たちの工場は小さな規模ですので大量生産向けのオートメーション機械はありません。ゆえに手作業の比率も高くなります。

食べ物はいのちです。どのような材料であれ、私たちは大切に扱います。面白い事に手間隙をかけるほど、製品ひとつひとつにいのちが宿るような感覚があります。

例えば右の写真をご覧になってギョッとした方もいるかもしれません。これは竹炭を練り込んで黒いパン粉を作った際のパンです。お客さまからのオーダーで面白そうなことは試しにやってみます。製品として成り立つかはわかりませんが、まずはやってみます。また、自分たちでも小麦粉や副材料のバランスで最適なものはないかと試行錯誤を重ねています。パン粉の種類はそれほど多くはありませんが、ひとつひとつの製品は質の高いものだけをラインナップに残しています。

国産小麦１００％使用のパン粉や米粉を使用したパン粉なども試作をしています。コオロギパウダーを練り込んだ栄養満点のコオロギパン粉も試作しました。

コオロギパウダー練り込み食パン（試作）

紅こうじ使用　紅パン粉